2月10日(土)15:30

アルカンシェル パリに架かる虹@宝塚大劇場

初日

 

超ネタバレ

 

超多忙につき今頃1か月前の初日のお話し

(退団公演マジ忙しい)

 

退団公演の初日が開いてしまいました。

本来ならば初日は9日金曜日の13時公演。

諸事情で、、、この10日15:30公演が初日となりました。

なので!!団体観光バスも来てるし、普通に親子連れもいるし、な感じでいつもの初日とはちょっと違った光景うさぎ

 

お芝居は小池修一郎御大のオリジナル作品。

まぁ、いつものイケコ大先生の作品だと思っていただければ。

時々アデューマルセイユやオーシャンズやカサブランカ。。。

 

ひたすら掲揚してあるハーケンクロイツが気になるって言えば気になる。。。。

今回のお芝居は占領されたパリ、対、進駐してきたドイツなわけでしょうがないのだけれど。

完全なる悪であるナチスのヒットラーはどこかで命令しているだけなので出てこない。

 

頭に入れいておいた方が良い情報としては

コンラート(まゆぽん)はSS

フリードリッヒ(ひとこ)はドイツ国防軍

同じドイツ兵だけれども立場や思想が相当違うってこと。

 

時代背景や様々な情勢、分かりずらい事はたくさんありますが

説明は全部イヴ(ほのちゃん)がしてくれますので!

ほのちゃんが喋っていることを一言一句逃さずに聞いていたらちゃんと分かると思います。

 

まぁ、そんな背景は置いといて。

幕開きは現代に生きるイヴ・ゴーシェ(ほのちゃん)が語り出す。

今から84年前に祖父の身に起きたこと、、あのころの巴里、華やかだった【パリの虹】という意味のミュージックホール『アルカンシェル・ド・パリ』

子供の頃からアコーディオンを弾いていた(ちゃんと弾いてる凄い!)祖父のイブ(湖春ちゃん)は)コメディアンである父ぺぺ(ヒロさん)と共に新作レビューの舞台稽古へ。

ぺぺがマエストロへ s'il vous plaît と促す。

ミラーボールが回り出し、オケが音楽を奏でだし、舞台の幕が開く。

華やかなレビューが始まる。

 

本舞台には階段、居並ぶ黒燕尾の紳士たち。

歌いだす看板ダンサーであるマルセル(れいちゃん)

黒燕尾にトップハット、ケーンの姿がまた見られるとは。羽根扇を持った華やかな淑女たち、そして歌姫カトリーヌ(まどか)

最初のまどちゃんのお衣装がスチールにもなっているピンクのお衣装で、とっても素敵よね(予算のほぼまどかのお衣装に費やしたのかと思った笑ううさぎ

黒燕尾のれいちゃんマルセルにセット・シャルマント(sept charmantes)

侑輝大弥/南音あきら/涼葉まれ/海叶あさひ/天城れいん/夏希真斗/光稀れん。7人の女子。デカい!

レビューが幕開きどーんと10分くらい(体感)あるので植田シンディ先生の作品かと思いましたよ。

マルセルはレビューのお衣裳からピエロの衣裳に、ピエロの扮装を解いて踊り出すれいちゃんがまた最高なんですが!!

 

れいちゃんマルセルは元々はオペラ座バレエ学校で学んでいたバレエダンサー。

この作品ではクラシカルな黒燕尾からコンテンポラリー、ジャズ、ラテンめっちゃ踊ってます!

1本物なのに笑ううさぎ

(とりあえずゆずか踊らせとくから文句言うなよ感は否めない)

こんな時代でもお客様を楽しませたい、自分のダンスを踊りたい、最初の方のマルセルは占領下のパリでどう身を置いていいのか決めかねてる。

 

華やかな世界とは裏腹にドイツの侵攻が始まる。

パリは無血開城。ドイツの占領下に。

ユダヤ系の劇場のプロデュサー(ゆりちゃん)やダンサー(ふじもん)もアメリカへ亡命。

 

自分がこのアルカンシェルの振付師としてみんなを率いていかなくてはならなくなり、カトリーヌともいがみ合い、徐々に分かりあい、似た物同士惹かれあっていく。

 

たゆたえども沈まず「Fluctuat nec mergitur」

パリ市の紋章に描かれたラテン語の標語。

 「どんなに揺さぶられ、ふらふら漂っているだけの状態でも、船を沈ませさえしなければまた復活できる」

 

この合言葉を常に抱き、劇場の灯りを消すまいと奮闘するアルカンシェルの人々。

波間に木の葉のように揺れる船に身を置き換えで揺蕩えども沈まずに生き抜こうと。色々と、今とかぶるよね。。。

 

文化統制官のコンラート(まゆぽん)、部下で演劇担当のフリードリッヒ・アドラー(ひとこ)。

開演25分くらい出てこない汗うさぎ

ドイツ兵の出てきた時の紹介がまるでエリザ笑ううさぎ

堅苦しいはずなドイツの兵隊さんたち。

なにやら花の都パリに来てちょっとテンション高め。

美しい街、どこも美術品のよう。田舎から出てきたオタクみたいになってて。どーしたこの人達ってなる。

 

劇場視察に来たコンラートはアルカンシェルの歌姫であるカトリーヌにシュトラウスを歌えという。クラシックは弾けないというポール(はなこ)の変わりに、こうもりのアデーレをピアノ伴奏をれいちゃんで急遽披露することに。まさかれいちゃんのピアノまで聞けるとは笑ううさぎ

 

本来、歌舞音曲が好きなタイプだったであろう(たぶん)コンラートさんは歌姫まどかの美しさと歌声に心酔。

そしてドイツ政府の命令に忠実に劇場での禁止事項を伝達。流行りのジャズとスウィングは禁止。

が、フリードリッヒ君は戦争で疲れ切り辟易している兵士にはジャズが必要だ、と軍には内緒で美しき青きドナウのジャズバージョンを作ることを提案。

この提案が後々大問題となる凝視

 

ドイツ兵だというのにいきなりスウィング歌い出すし踊り出すし。最初はピアノを弾いていた(ここはリアルには弾いていない)マルセルも踊り出すしたまらん最高飛び出すハート

この舞台全般を通してジャズとスウィングの振付が一番好き!振付は桜木君。これフィナーレナンバーでも良かったんでは。

占領下から解放された市民、てテイで。

 

ひとこ。スチール詐欺笑ううさぎ

もっと敵対するドイツ兵なのかと思いきや。

元々はベルリンでラジオの音楽番組を作っていたとか。

オタク気質でフリューゲルの陽気な東ドイツの民みたいな。

終始ひたすら良いドイツ人で、劇団はなぜひとこに色の濃い悪役2番手させないのだろうか。。。

鴛鴦とアルカンシェル、ご陽気でいい人で終わってしまった。

 

普通サヨナラ公演ってトップと2番手の友情だったり引き継ぎ芝居があるけど、今回はあまりそういうのはなし。

そのかわり、トップ娘役とその後を継ぐ娘役のまさかの引き継ぎ芝居が。珍しいよね~。

 

お芝居の登場人物、ほぼアルカンシェルの団員と思っていただければ。

退団者のれいちゃん、まどか、ふじもん、せのちゃん、みさこちゃん、みこちゃんも団員。

ふじもん、せのちゃんには見せ場(最初と最後)があるけど、【花売り娘】と役名のあるみこちゃんは本当にちょいとお花渡すだけだし、1言セリフあるだけで不憫であります。娘役にはしょっぱいわ。

 

団員の中でもアルカンシェル5みたいなゴレンジャーがいて。

マルセル柚香、ロベール帆純、ポールはなこ、ピエールだいや、ダニエルらいと。

この5人がよくよく行動を共にします。

みんなれいちゃんの新公のお役をやったことのあるメンバーでアツい!

 

占領下のパリ、ドイツマルクが当然強く、お金持ちドイツ人になびく人々もおり。反対にレジスタンスとして戦って行こうとする者も。

 

夜間外出禁止が出ている中、ドイツ兵にからまれるアネット(みさきちゃん)を助けるフリードリッヒ。

自分の滞在先のホテルへ(ついてっていいのか?)

非番な今日、シャンソニエに行って歌をたくさん聞いてきたんだ!ってウキウキなフリードリッヒ汗うさぎ

 

ヒトラーの第三帝国の非道さを指摘されても反論できない、でもエンターテイメントこそが世界の人々が一つになれる手段なんじゃないかと説くフリードリッヒ。

で、言い合いしていたのに何故かいきなり恋に落ちる。(宝塚だからね!)

 

ドイツ軍たちのパーティーへ招かれるアルカンシェルのメンバー。

コンラートは酔ったカトリーヌを自室へ連れ込む。

それに気づいたメンバーはマルセルに報告。

コンラートの部屋へ乗り込んでカトリーヌを救出。

 

パーティーから逃げてきたマルセルとカトリーヌ。

夜間外出禁止令が出ているパリ。

家に呼ぶよね~マルセル君。

恋愛と仕事は別ける主義な似た物同士の2人。

まぁそうなるよね!って展開で笑ううさぎ飛び出すハート

ここ、色々ヤバい。

大きいの小さいのとか。まどか気付け。小さいカップは絶対に前の女が置いていったやつだぞ凝視

キスの仕方とか。ゆずかさーーーん!ってなる昇天

 

 

ジョルジュ(あかさん)はアルカンシェルでカトリーヌのパートナーとして歌を歌っていたけれど(本人は恋人のつもりだった?)、新体制の元、自分の歌パートが減らされダンスになってしまったり、カトリーヌがマルセルと親しくなっていくのを目の当たりにし私怨をこじらせていく。(通常のバージョンでは歌ってるんだから1曲ぐらいよくない?)

ついにはナチスへの協力者となりアルカンシェルを去っていく。

ジョルジュの密告によりジャズバージョンの青きドナウはリハーサルのみで上演中止。

劇場主であるあおいちゃん、責任者のカトリーヌ、振付のマルセルは連行。提案したフリードリッヒは更迭。そしてハーケンクロイツの旗を踏みにじったペペはは思想犯として逮捕、収容所へ。

連行されるマルセル達、それを見守る仲間達が歌う『たゆたえども沈まぬ』がまたドラマディック。

 

 

マルセルはナチス親衛隊であるジョルジュ(まいこつ)エミール(まいら)による執拗な拷問を受けるが数週間の拘束の後に解放。

あちこち痛めつけられてアルカンシェルに戻る。まいこつに髪をガーっと掴まれて苦悩の表情を見せるれいちゃん、、、良いニコニコ

 

営業再開の許可が出たアルカンシェルはドイツへと旅立ったカトリーヌの代役にアネット(みさきちゃん)を立てて営業再開へ。

【ジャズは禁止でもラテンはOK】

という何じゃそれなドイツ軍(そこはいいんだ?!ってなるやつ)のおかげで『ココナッツ・パラディ』を上演する。

いきなりラテン!!でちょっと戸惑う客席。笑

 

ココナッツ・パラディの終演後、花束を持って現れるフリードリッヒ。

普通に考えたら、マルセルは拷問を受けるしぺぺはまだ行方知れず、この状況でよくここに顔だせるよな?って思うけれど。笑

愛の力は偉大なり。急に始まる2人の時間に退散するアルカンシェルの皆様。お気遣いありがとう。

 

当然左遷されるフリードリッヒ君(左遷だけで済むのがなんか凄い)

軍の慰問担当になります!

そこへカトリーヌが慰問に来るとの情報が、そして捕虜であるペペも。(なんて好都合。。。)

その情報を電話でマルセルに伝えるフリードリッヒ。

イブと共にペペを助け出すことに成功する。

 

そして捕虜に逃げられた咎で今度は軍の通信担当になるフリードリッヒ君!僕は通信技術の研究をしていてラジオ局に入ったんだ!(え?なんて?感笑ううさぎ

 

契約期間を無事に終え、パリに帰ってきたカトリーヌ。

なんていうか、あえない時間のお手紙でのやり取りで妙に盛り上がっちゃってる2人で。お帰り!ってハグ!

 

敗戦の色濃いドイツ軍は撤退の際にパリを爆破する計画を立てる。

コンラートからこの情報を手に入れたカトリーヌはマルセルたちへ報告。張り巡らされたパリの地下水道に目星を付け、マルセルたちレジスタンスはドイツ軍と激しい銃撃戦になる。

ここのれいちゃんマルセル達レジスタンス、銃を持って踊るとかカッコよさ異常。

 

ロベール(せのちゃん)が腕を撃たれ、マルセルが介抱。

その時に言う『ずっと同じ舞台を踏んできた仲間じゃないか』

ってセリフがグッとくる!今までれいちゃんの新公5役を演じたせのちゃん。同志中の同志。

せのちゃんには見せ場もセリフもたくさん!アクロバティックな前転もあるし。

 

パリ爆破計画の操作所へたどり着いたマルセルはそこで通信兵として任務についていたフリードリッヒと再会する(なんでいるんや笑ううさぎ

お互いがお互いに銃を向ける中、突然の入電によりドイツ軍の降伏、戦闘の終結が伝えられるが、コンラートはそれを無視してパリ爆破を推し進めようとする。。。。

 

 

まぁ絵にかいたような終わり方なので!

虹が出ますからね!

 

しかしジョルジュのその後を考えると気が重い。

仲間を裏切ってSSになっちゃうし人も殺めてるし。

 

フィナーレナンバーはれいちゃんのラヴィアンローズから。

大階段で花娘達とちゃらちゃら戯れて(本領発揮)

銀橋を渡り本舞台に戻ったらお衣裳チェンジ(脱ぐだけ)で愛の讃歌!こんなアレンジもあるのね。

(ただ私はこの振付家さんの振付があまり好みではない。)

男役さんのお衣裳のブラウスがポーの一族の時の群舞のでちょいアガル!

転調して上手にはけて行く時のターンが最高にカッコイイ。

 

最後のデュエットダンスはブルーのお衣裳で。

れいちゃんは大階段上から、まどちゃんは上手のスッポンからセリ上がり。

 

銀橋ではなく、本舞台で終わり。

それからまどちゃんがはけて、れいちゃんのみで踊り出す。

最後のダンスですね。。

 

エトワールは美咲ちゃん。2回目ね。

皆様お衣装がとっても不思議な虹!

最後の羽根もレインボーゆずか。

凄いなこりゃ笑ううさぎ

 

 

初日ですので、まずはあおい組長さんからのご挨拶。

専科からご出演のお2人、新しく副組長に就任したゆりちゃんのご紹介も。

そうしたら、後ろの人が、え?これ初日なの??って声が

そーなんですよ、公演中止があったのでこれが初日なんですよ。。。

知らないで来てる人が結構いる感じだったのよね。

 

れいちゃんのご挨拶。

まずは無事に初日が開いた事への感謝。

『アルカンシェル』は宝塚大劇場のままアルカンシェルに生まれ変わり華やかな舞台になっている感じと。

日本で初めてレビューという言葉が使われたのが宝塚大劇場。

1927年、今から約100年前に花組が『モン・パリ』を公演したのだそうです。その時にラインダンスなどもあり、今の宝塚のレビューの形式を作り出したのだとか。

マルセルはパリのレビューを次の時代に受け渡すという大きな使命を果たそうとしました。そのように宝塚のレビューも長い年月をかけて受け継がれてきたのだと思います。大切に演じたいと。

特にご卒業公演ってことは言ってなかったかな。

 

最後は花組ポーズもありませんでした

千秋楽ではありますように!

 

 

 

マルセル・ドーラン:柚香光

カトリーヌ・ルノー:星風まどか

フリードリッヒ・アドラー:永久輝せあ

 

ペペ:一樹千尋

コンラート・バルツァー:輝月ゆうま

マダム・フランソワーズ・ニコル:美風舞良

コーエン:紫門ゆりや

ジェラール:舞月なぎさ

オットー・フォン・シュレンドルフ:羽立光来

マックス:紅羽真希

ジョルジュ:綺城ひか理

エミール:峰果とわ※

ロベール:帆純まひろ

アンヌ:凛乃しづか

カール:高峰潤

マリー:糸月雪羽

イヴ・ゴーシェ:聖乃あすか

グスタフ:泉まいら

ポール:一之瀬航季

ルイ:和礼彩

シモーヌ:咲乃深音

フィリップ:愛乃一真

クロード:龍季澪

エドモン:翼杏寿

レオ:涼香希南

ピエール:侑輝大弥

オーギュスト:太凰旬

イレーヌ/エマ:鈴美梛なつ紀

パメラ:三空凜花

セザール:南音あきら

ジャンヌ:朝葉ことの

ジル:涼葉まれ

ダニエル:希波らいと

ミレーユ:詩希すみれ

ブルーノ:海叶あさひ

クラウス:天城れいん

花売り娘:愛蘭みこ

シルヴィー:美羽愛

アネット:星空美咲

少年イヴ:湖春ひめ花

 

※峰果とわは、宝塚大劇場公演を全日程休演いたします。
■代役
エミール 峰果とわ→泉まいら
デートリッヒ・フォン・コルティッツ 峰果とわ→泉まいら
グスタフ 泉まいら→青騎司